紅の書庫
□ある日の午後
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十代君が僕の部屋を訪れたとき、僕は必ずココアを入れる。
「んで、万丈目が俺のほっぺをこれでもかとつねりやがって・・・」
今回のお話はどうやら万丈目君との喧嘩らしい。
聞いている限り小学生の意地の張り合いのようにも見える。
十代君にちょっかいをかけた万丈目君。
それはいつものことだったが、今回はどうやら十代君が万丈目君の揚げ足を取って言い負かしたらしい。
それを認めたくなかった万丈目君が口ではなく、手を出してしまったことが仲直りを長引かせている理由だ。
とは言っても、殴り合いとかそんな物騒なものではなく、たかだかほっぺのつねりあい、その程度のことだという。