紅の書庫
□融合
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「吹雪さんのことが何よりも大切で、大好きで、一緒に生きたいと思うから」
俺だって、不安で仕方が無かった。
吹雪はいつも女子に囲まれていて、その優しい笑顔を惜しげもなく振りまいていたから。
俺なんて男で、女の子みたいな可憐さも無いし、おしとやかさもない。
いつ俺は飽きられるんだろうとか。
そんな事を考えるときりが無くて、泣きそうだった。
「俺も吹雪さんが好きで好きで、誰よりも大好きだから、不安だったんだ・・・」
でも、今分かった。
「俺が不安になるのは、吹雪さんが好きだから」
それ以上も以下も無く、だたその真実を映していただけだということ。
「吹雪さんが不安になるのは、俺を・・・・好きでいてくれるから」
人間という種別としてこの世界に生きている限り、
決して交じり合うことの無い肉体によって孤独を味わうのは仕方が無いこと。
「だから・・・・」
信じることが難しくて、すぐに跡形も無く消えてしまうものだけれど。
「こうして、寂しいのとか、不安とか、孤独とか・・・思っていること、考えていること、
悩んでいること・・・・自分の中に閉じ込めてないで、吐き出せばいいんだと思う。」
現に俺は、今心配だったこと言ってすっきりしたし、
吹雪さんの思っていることが聞けて、凄く嬉しい。
すごく愛されているみたいだ。