陰陽のディーオ

□6章 痴話喧嘩と部屋割り
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「知らんのか! 警戒しろと毎回言ってるだろ! 何回言わせれば……意気込んで言うな!」
「みんなに言われてるんすね」
「どっかの誰かみたいだね」
「・・・・・・気を付けるっす」

 結局、感情を抑えるのが無駄になったラ―グは「疲れた」と息絶え絶えになった。アックスは、キョトンとし、目をパチパチとしていた。隣にいるフォルテは、まだ笑いを抑えられないが「ふふ……ラ―グが凄く頑張って話をしてる。珍し―い」と声を弾ませた。

「・・・あの、先程説明しましたよね?」

 少々困惑気味のアレスの言葉に「説明聞いてたのか!」とラ―グが低く叫ぶ。

「だから、一緒に任務する事になるよ!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

 二人の発言を完全に無視するアックス。すると、やっと収まった笑いが込み上げてきたのか、再び、笑いだしたフォルテ。ラーグは横を一瞥し、眉間の皺をさらに寄せる。そんな光景にリゼルは、もう知らない、と黙っていた。
 そんな事お構いなしに、アックスは体を軽く左右に動かした。

「あと、部屋は誰かと相部屋で! そうしてってオルガさんが言ってたよ! 僕が決めた訳じゃないからね!」

 何か言われるのは嫌なのか、アックスはラ―グに視線をもろに向ける。オルガが決めたのなら、文句もないだろうと。いや、文句を言う相手はオルガになるのだから、という考えを持っていた。

「……」

 無言でいるラ―グの近くにアックス、リゼル、フォルテ、三人は集まり、小声でコソコソと会話をする。

「ラーグ、やっぱ、けいかいしてるよ」
「あーあいかわらずだね。いつもの事だけど」
「まー、仕方ないんじゃないかな?」
「あはは」
「丸聞こえだぞ?」
「「「……」」」

 ラ―グは三人をギロリと睨みつける。高圧的な瞳で見下ろされた三人は、黙るしかなかった。





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