陰陽のディーオ
□5章 オルガさんに会おう
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もう何度目かになるが、彼らのこんなやり取りに異世界からきた4人は付いていけるはずもなく、呆然としているしかなかった。
「んじゃ、まーとりあえず。ご飯は3食あるから、死ぬことはないぞ。」
「よっしゃあ、メシー!!」
話が戻ったことに安堵していると、部屋に入ってから自己紹介の時以外は黙っていたギルが、何を思ったのか歓声を上げる。
即座に反応したレイが、笑顔のまま殴って黙らせた。
「お気遣い、痛み入ります」
「そんな堅苦しくなくていいぞ?」
オルガは寛容な態度を見せてくれたが、異常事態が起きたとはいえまだ任務中なのだ。
仕事である以上、上司として監督していなければならない。
「けじめですので。」
「ふーん。」
「すみません。どうぞ、説明の続きをお願いします。」
にっこりとほほ笑んでギルの首根っこをつかみ下がらせるレイに、オルガは別に気にした風はなく説明を続ける。
「寝床は誰かの部屋で。あと、ここにいるんだから、いる以上働いてもらう。よろしく。戦闘技術はありそうだから大丈夫だと思うが・・・」
「・・・・・・戦闘技術ですか?一体、どのような仕事を・・・」
「よかったな!」
少々驚きを含んだアレスの問いは、アックスの喜びの声で遮られてしまった。
しかし、質問の内容はしっかり届いていたようで、オルガは笑顔で答えてくれる。
「そんな大変な事は頼まないから安心しろ。あー、詳しくはアックスに・・・だけじゃ、心配だから、リゼルも頼む。」
「やっぱり・・・」
説明を丸投げされたリゼルは落胆し、しかし予測はしていたようですでに諦めの表情をしていた。
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