陰陽のディーオ

□5章 オルガさんに会おう
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5章 オルガさんに会おう
 〜合縁奇縁〜

 組織の代表者に会うため案内された場所は、書斎のような部屋だった。
それなりの広さはあるのだろうが、今は7人もの人間がいるためか、少々手狭な印象を受ける。
7人の中の一人、赤髪の少年・アレスは、今回の異常事態の説明をしていた。

「瞬間移動の魔法で、少々遠方へ行く予定だったのですが、魔法陣に不備があったようなんです。そのため、私共も気が付いたらあの森の中にいた次第でして。」

説明の相手は、オルガという人物である。
この組織の代表者で、7人の中で唯一いすに腰掛けている。
彼の名前とだいたいの性格は、部屋に案内される前にリゼルとアックスの二人から聞いていた。
しかし、実際に会ってみて、その人物像を正しく理解できていなかったことを理解した。

「幸い通信手段はありましたので、知り合いに事態を報告することはできたのですが・・・。かなり遠方まで来てしまったらしく、場所の特定が困難な上、人員不足も重なりまして、迎えがくるまでかなりの時間を要するとのことなんです。」

お互いに自己紹介は済ませたのだが、あまりの反応の薄さに4人は話をちゃんと聞いているのか不安になった。

「ほー、そうなんだ。ふーん。」

今回も、説明中はあくびをかみ殺していたり、首を回したりと、本当に聞いているのか不安になる様子だった。
しかし、先ほどもそうだったのだが、リゼルが呆れながらも特に指摘することはないので、聞いてはいるのだろう。


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