陰陽のディーオ

□4章 アークフォルド到着
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 アックス達から離れ、通信機でオルガに連絡をしている、リゼル。数秒後、画面に男性が映った。灰白色の髪と瞳。片目にだけ眼鏡をしており、気だるそうな目をしていた。
 彼は、リゼルを見ると頬杖をついた。

「……なんだ、リゼル。用か?」

 くわっと欠伸をし、涙を溜めた目を擦る。上司の余りのだらけっぷりに、リゼルはこめかみをピクピクさせる。

「用がなかったら、連絡なんかしないよ……いや、しません」
「言いなおしかよ。誰も近くにいないじゃないか。まぁ、アックスがいるか」

 一人で納得し、ニヤニヤしているオルガに、イライラしていた。

「そんな、イライラするなよ。可愛い顔が台無しになんぞ」
「……」

 顔に出してないつもりだったが、どうやらそうじゃなかったらしい。リゼルは、眉間に皺を寄せ、画面を睨む。両手を肩の高さまであげるオルガ。
 遊び過ぎた、と反省しているようだ。

「で、用事は?」
「……アックスが、森の中に人がいるからと連れて来たのですが……どうしましょうか、オルガさん?」

 棘のある言い方をされ、オルガは引きつった笑みをした。彼が完全に怒っているのが、分かる。
 しかし、そんな事よりも、今聞いた言葉に笑いが込み上げる。

「アックスが、人を? ……あははははは! 相変わらずだなぁ、アックス! どうせ、警戒心皆無で連れてきたんだろうなぁ! で、お前は怒ったんだろ? あいつは、反省してなかっただろう? 面白いな、ここは。つまらなくない! 最高だ! 本当にここは飽きない! 生きてみるものだな! そう思うだろ、リゼル?」

 愉しそうに、そして若干狂ったように笑うオルガに、リゼルは溜息しか出なかった。どうやら、何でもお見通しなようだ。
 この男に怒っても仕方ない。どうしようもない。分かっているリゼル。適当に流す事にした。

「で、どうします?」
「はは! 無視か! たく、お前は……いいよ、通して。――ふむ、四人か。うん……ふーん……そうか」

 オルガはひとしきり笑う。すると、つまならそうな顔をした。そして、独り言を呟き始める。







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