陰陽のディーオ

□4章 アークフォルド到着
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「ハァ・・・どうせ、何も考えずにつれてきたんでしょ?」
「うん!」

 得意げな笑みを見て、リゼルはガックリと頭を下げた。そして、溜息。

「やっぱり・・・」
「まぁ、何もってわけじゃないよ? 連れてくれば、誰かが何とかしてくれると・・・」
「他人任せ!?」

 何も考えてないじゃないか、と言いたそうな視線を受けるアックス。彼は特に気に留めず、話し続ける。

「それに、オルガさんに言えば、大丈夫でしょ」

 ニコッと太陽のような明るい笑みをするアックスに、リゼルはしょうがないなぁ、と溜息と共に吐き出した。

「……わかったよ。オルガさんに連絡してくるよ……」

 リゼルは、その場を少し離れ通信機を取り出し、それを使って、オルガに連絡を取り始めた。それを見てから、アックスはアレス達の方を向く。

「今、オルガさんに連絡取ってもらってるから。んとさ、なんで森の中にいたんだー? 何もうまい動物とかいないぞ?」
「今更っすか!?」

 ギルはアックスの言葉に驚く。

「別に、狩猟目的で来たわけじゃないよ。」
「私たちも、気が付いたらあの場所にいたもので」

 さっき言ったはずなんだけどな、とアレスは思った。しかし、そんな事を全く気にしないアックスは、納得したように頷いていた。

「そうなんだー」
「そうなんです。・・・ところで、アックスさん。オルガさんというのは?」

 アックスはさん付けされ、少し嫌そうな顔をするが、元の人懐っこい笑みに戻した。

「オルガさん? えーと、まぁ、簡単に言うとこの組織の偉い人だよ。温厚な人だね。温厚すぎるけど」
 建物を指し、苦笑いをする。そんな彼の説明に、アレスは納得したようだった。

「なるほど。・・・この施設の責任者・・・ということですか」
「うん、そんな感じかなー」

 あはは、と何故か笑いだすアックスは、四人とリゼルが来るまで話していた。





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