陰陽のディーオ
□4章 アークフォルド到着
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「えっと、失礼ですが………どちら様、ですか?」
「これはまた失礼いたしました。・・・私は、アレス=クリエと申します」
アレスと名乗る者は、一礼すると鳶色の髪の女性に目で合図を送る。彼女はそれを受けて頷く。
「アデレイドと申します。後ろにいるのが、ギルバートです」
アデレイドは、体をずらし、青髪の少年――ギルバートを見せる。
「よ、よろしくするっす!」
「それから、こっちが朔弥」
「こんにちは。いきなりお邪魔してすみません」
アレスに名前を言われ、サクヤは挨拶する。アックスは「ふぅん」と間抜けな声で呟く。
「へぇーあんたら、そんな名前なんだ!」
「聞いてなかったの!? 普通、最初に聞いてるでしょ! 何でアックスはーー」
「ま、よろしくなー。アレス、アデレイド、ギルバート、サクヤ。」
リゼルの言葉を無視し、彼は四人の名前を呼び、笑顔でヒラヒラと手を振る。呆れるリゼルだが、彼もアレス達と同様に自分の名前を名乗った。
「・・・・・・初めまして。オレはリゼル・イブエル・ミシャです。リゼルでいいですよ」
リゼルの自己紹介を聞いて、アックスは自分も名乗ってない事を思い出す。ピョンピョンと軽く跳ね、右手を上げる。寝癖がついた髪が揺れる。
「あ、そうだ、自己紹介してなかった。言うの忘れてたよ。あっぶなぁ。僕、アックス! アックス・レイン・クインシードってんだ。アックスでいいから!よろしくなぁ!」
「してなかったの!?」
「ん〜だって、知らない人には名前言っちゃダメだって…」
「確かに、そうだけど………そこでそう言うんだ………アックス、もういいや……」
何も言う気が起きず、リゼルは肩を竦める。アックスは彼に目を向けたまま、首を傾げる。
「リゼルさんと、アックスさんですね?お世話になります。」
「だーかーらーアックスでいいって! あと、敬語もなし!」
「あぁ、すみません」
アックスの言葉にアレスは、苦笑いをした。
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