陰陽のディーオ
□4章 アークフォルド到着
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リア島の森の中にいた四人を引き連れてーーというよりは、一人でアークフォルドへ帰って来たアックス。入口付近にいた黒髪の青年がおり、掃除が終わったようで箒を片づけていた。
それが終わった彼は、顔を上げると赤い目がアックスに気付く。
「アックス、お帰り。どうしたの? 何か用事?」
「リゼル、たっだいまー。テナンさんに頼まれて、ルーティアヌまで魔法薬届けに。後、ユアからも同じ人物に手紙渡しに……」
最後の部分は声が低めで、リゼルは苦笑いをした。
「そうなんだ。大変だったね…ん?」
ふとアックスの後ろを見ると、見知らぬ四人に気付く。一人ずつ眺め、目の前にいるアックスに視線を戻した。困惑顔をして。
「あのさ、アックス。この人達………誰、かな?」
彼に後ろの人達の事を聞かれ、アックスは嬉しそうに、よくぞ聞いてくれました、と言いそうな雰囲気を出し、笑顔で答える。
「森の中で見つけたんだ! 困ってるようだったから、つれてきちゃった! えへへ〜」
「……何、連れてきちゃった、だよ! えへへ〜じゃないでしょ! 少しは警戒しろって! 何回言えば――」
「だって、とりあえず困ってるヤツがいたら助けろって死んだじーちゃんが言ってた」
怒っていたリゼルだったが、彼のその言葉にしまった、という顔をした。
「えっ・・・おじいさん、亡くなったの?」
「いや、生きてるよ。言ってみたかっただけ!」
「何、勝手に殺してるんだよ! 不謹慎すぎるだろ!」
そして、再び怒りだすリゼル。そんな二人は、四人の存在を無視――いや、無視というよりも完全に忘れていたの方が、当たっている。
なかなか終わらない二人に、背の高い赤髪の青年が話し掛ける。
「あの・・・申し訳ないです。私たちが、彼の好意に甘えてしまったばかりに・・・」
「いえ、気にしないで下さい・・・アックスが! ・・・・あ!」
青年の声をハッとしたリゼルは、とても申し訳ない顔をする。
「いえ、こちらこそ、変なとこ見せてしまって……恥ずかしい…」
「恥ずかしい!」
「真似しないでよ! 大体、アックスがあんな事いうから――」
話が逸れそうになり、リゼルは軽く咳払いをする。
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