陰陽のディーオ

□1章 異世界への任務
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「以前、このメンバーで望んだ任務のことは、もちろん覚えているな?」
「はい。反乱軍の本拠地の制圧・・・でしたよね。」

アレスの言葉に、朔弥が仕事の顔に戻り答えた。
3か月前、彼らは二つの隊での合同任務を行った。

魔界の王と言っても、広い世界の中では、彼に従わない者ももちろんいる。
たとえ従わなくとも、今の王は穏健派なこともあり、害を及ぼすことがなければ無理やり従わせようとはしない。
集団によっては、有効的な外交関係さえ築けている。
しかし、魔王が魔界の王を名乗ることに不満を抱き、あまつさえ国土を侵害し魔王を殺そうとする者たちもいる。
以前からそういった思考の者はいたのだが、近年になって急激に勢力を伸ばし始めたのだ。
小さな被害が出始め、王都へのテロの予告などもされるようになり、穏健な王もついに軍隊を動かした。
それが、3か月前の事である。

魔王軍も反乱軍も兵力が薄くなる日を狙い、魔王軍は少数精鋭の隊を複数作り、敵の拠点10数ヵ所を一斉に攻撃する作戦であった。
その本拠地の制圧の責任者を任されたのが、アレスである。
複数の拠点の場所、本拠地の場所を割り出した情報源を持ち帰ったのが、彼とその後輩であったことが評価されてのことだ。

「あぁ。あれは他の拠点も同時にたたく作戦だった。」
「うちもそうだったし、ほとんどの隊は全滅させるなり投降させるのに成功したんだけどね。一部、逃がしちゃった奴らがいたんだってさ。」
「それでは、今回の任務というのは・・・」
「そ。逃げた奴らを追っかけて、捕まえるなり抹殺するなり・・・要は、前回の後始末ってわけだね。」

反乱軍残党の追撃及び殲滅。それが、今回の彼らに課せられた任務だ。

「逃げた先は、妖精界なんですか?」

事前に事務所から受け取っていた任務資料には、今回の任地は妖精界と記載されている。
妖精界というのは、魔界や人間界では実体をもたず、一部を除いた人間には視認さえされない、「精霊」と呼ばれる種族の世界である。

「現地に駐屯している諜報員からの情報だ。妖精界の火の国に、内通者がいたらしい。」
「その内通者が、逃げた反乱軍の兵士たちを匿っているんですね?」
「おそらくな。」

妖精界の中には複数の国家が存在し、その多くは王制を採っている。
精霊達のもつ性質は国ごとに違い、火の国は比較的攻撃性の高い気質が知られている。


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