陰陽のディーオ
□8章 食事の時間に
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第八章 ご飯の時間に
レイ視点
男性陣の部屋がある階に移動して、リゼルさんの言っていた赤い紐がかけられた部屋に向かった。
ノックをしたら朔弥の声が返ってきて、ノブを回す。
あら、いい匂い。もう、ご飯運ばれて来ているみたいだね。
「あら、もうみんな揃ってるのね。」
「あぁ、レイで最後だよ。」
アレスの言うとおり、他の3人はイスに座って待っていた。
「先輩!アレ、頑張ったっす!耐えきったっす!褒めてほしいっす!」
「あー、はいはい。」
ギルがなんか喚いてるけど、テキトーに聞き流してアタシも空いていた席に座る。
「あら、おいしそうな料理じゃない。」
「あー・・・そうっすね。料理はものすごくうまそうで・・・」
「料理は?」
なんだい?その含みのある言い方は。
「そうなんすよ!聞いて下さいよ!料理持ってきてくれた人なんすけど、なんか、すんげー・・・すげぇ・・・えっと・・・」
「個性的な方でしたね。」
「そうそれ!それでいいや。」
なるほど。朔弥にまであんな事を言わせるなんて、何かよっぽどのことがあったのかね。
「まぁ、いろんなヤツがいるってことだよな。」
苦笑いをするアレスの顔にも、珍しく疲れが見える。
リゼルさんが部屋を出てから、アタシを呼びに来て、それから・・・・・・そこまで時間が経ってるとも思えないんだけどね。
何があったの、と目を向ければ、朔弥が答えてくれた。
「二人でいらしたんですけど、付き添いの方が大変疲れた顔をしてまして・・・思わず、栄養ドリンクを渡してしまいました。」
ん?
「そんなことしてたのか」
「うん。手製の魔法薬だから、よく効くと思う。」
なんだろうね、ちょっと何か、連れている感じがするんだけど?
「手作りかよ、さっすが〜。」
説明が足りない気もするんだけど、まぁ、うん。
「・・・なんか、アタシが来る前に、大変なイベントがったみたいだね。お疲れさん。」
これくらいしか言えることないわ。
「まぁ、それはさておき。」
アレスの声に、雑談をしていた二人も、そして私も、居住まいを正す。
「これより、臨時会議を始める。」
「はい!」
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