陰陽のディーオ
□4章 アークフォルド到着
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「……」
無言でオルガを見つめる。それは、睨んでいたという方が正しいだろう。それに気付き、オルガは咳払いをした。
「すまんすまん。別に、変な事してた訳じゃないぞ。ちょいと、情報をな、いただいたもんで。いただいたというか、引き出したか」
「…そうですか」
「おー怖い怖い」
「……ふざげないで――」
「ふざける? 何のことだ?」
オルガは先程まで浮かべてた笑みを消し、無表情で彼を見る。それに威圧感を感じたが、リゼルは臆せず、言う。
「じゃあ、彼らを連れて行きますから、主として恥ずかしくないようにして下さいよ」
「……はぁ。全く、リゼルちゃんはかっわいくないなー」
「男に可愛いとか、止めて下さい。後、ちゃん付けも。気持ちが悪い」
無表情でそう言うリゼルに、何か感じたのだろう。オルガは「じゃ、後で」と早口で言うと、通信を切った。それに溜息。
今日は一体、何回溜息をつけばいいのだろうか。リゼルは、本日四回目の溜息を吐いた。
アックス達の元に連絡を終えたリゼルが戻って来る。
「どうだったー?」
「オルガさん、いいってさ。待ってるって…」
少し低く、そして雰囲気が違う気がしたが、特に何も言わずアレス達、四人を順に見た。
「んじゃ、さっそく行くぞー!」
遠足気分で先頭を歩き出し、その次にリゼルが続く。彼らの後に、アレス達は続いた。
第四章 終
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