■モンスターファーム物語
□第六話 初大会!!
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ついにやって来た大会の日。
晴れた空の下、闘技場はたくさんの観客達の歓声で湧いていて、これから始まる熱い闘いを今か今かと待ちわびている。
ウィン達はというと、ガルゥとキタカゼと一緒に、選手控え室で最後の打ち合わせに入っていた。
「いいか二匹とも!やるからにはバッチリ、今の自分の力を出しきって闘うんだ!ハッキリ言って、今回あんまり練習に時間が割けなかったけど、そこは…」
ウィンはそこまで言うと、自分の胸を片手でドンと叩いてこう言った。
「ここでカバーだ!」
ウィンが胸を叩いて笑ってみせると、ガルゥはピョンピョンと元気良く飛びはね、キタカゼも「まかせておけ」と言うように、静かにうなずいてみせた。
そんな様子を見て、フィーもニコニコと微笑みながら言う。
「この大会でもし優勝できたら、私も腕によりをかけて美味しいごちそうを作らせてもらいますね」
「うお!マジで!?いよっしゃあ!これはますます負けられないぞ!ガルゥ、キタカゼ!フィーの美味しいごちそうのためにも絶対絶対頑張って優勝するぞ!」
ウィンが目をキラキラさせながら、片手を上げて言うと、ガルゥもキタカゼも、飛びはねたりシッポを振ったりしながら、元気よく答えた。
フィーの美味しいごちそうと聞いたら、俄然やる気もパワーもみなぎってくる。
何しろフィーの手料理は、ほっぺたがとろけそうなほど美味しいのだ。
ウィンはガルゥとキタカゼに、優勝したらあれを作ってもらう、これを作ってもらうと、もうウキウキだ。
二匹も作ってもらいたいものがあるようで、目をキラキラさせながら訴えているのだが、何しろ言葉が通じないので、ウィンは適当にそうかそうかと相づちを打っている。
そんなウィン達を見て、フィーはクスッと微笑むのだった。