■モンスターファーム物語
□第五話 大会まであと三日!!
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「ええー!?大会まであと三日しかないー!?」
晴れ渡った空の下、ウィンの声がファーム中に響き渡る。
ファームの片隅にあるブリーダーハウス。
その中で、ウィンはテーブルの上に置かれた大会の予定表を手に取り、目が飛び出さんばかりの表情で固まっている。
「ええ、まさかウィンさん、大会の予定日のこと、知らなかったんですか?」
台所で紅茶を作りながら、フィーがウィンの方を振り返る。
「し、知らなかったっていうか…俺は神殿でキチンと、この予定表をもらって、その予定を元にガルゥ達のトレーニングをしてたんだ!ほら、予定表には大会は1ヶ月後って書いてるだろ!?」
ウィンは手にしていた予定表をフィーに向け、今月の大会予定と書かれた場所を、指差してみせるが…
「あ、あのウィンさん…それ、去年の予定表ですよ?」
「え…?」
「ほら、ここ。日付が去年の5月って書いてあるじゃないですか」
フィーに予定表の上の方を指差され、ウィンは慌てそこに目を落とす。
するとそこには、フィーの言う通り、去年の日付が印刷されていた。
それを見て、口をポカンと開けたまま固まるウィン。
しかし、すぐにその表情は一変する。
「くっそー!あのしわくちゃジジイー!俺にニセの予定表掴ませやがって!!」
そう。ウィンは神殿で予定表をもらって来たと言ったが、その予定表を渡した人物というのが、何を隠そうあのランピエだったのだ。
恐らくランピエは、また本を読みながら、適当に机の引き出しをまさぐり、そして中にあった用紙を適当にウィンに差し出したのだろう。
当然ながら、ウィンは怒り爆発である。
「ああー!俺の完璧だった計画がこれでめちゃくちゃじゃんかよ!くそ、あのしわくちゃジジイめ…ちょっと文句言って来てやる!」
「ま、まぁウィンさん。落ち着いて…多分ランピエさんも悪気があったわけじゃないでしょうし…」
ハウスの中から飛び出そうとするウィンを、フィーが慌て引き留める。
またこの前みたいに、神殿のリンさんに迷惑をかけるわけにはいけないし、あんまり神殿内で騒ぎを起こすと、ブリーダー免許を取り消されることだってあるのだ。
とりあえずフィーはウィンを席に着かせると、入れたての熱い紅茶をウィンの前に置いた。