■きつねの短編小説集
□妖怪ワラジと九尾の狐
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九尾は、生けとし生きる者に苦しみを与え続ける日々で、すっかりむかしの自分を忘れてしまい、身も心もその九つの思念に染めあげられていったのです…
生き物の中でも人間は、特にその影響を受けやすく、九尾にとってかなり扱いやすい存在でした。
そんな人間も、何度も何度も九尾を倒そうとやってきましたが、その度返り討ちにあってしまっていました。
神々も、元の優しい九尾がこんなにも変わってしまったので、あわてて止めには入ったのですが…
もう、九尾にはその声も届かなくなっていたのでした…